やぎの目こわい

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呪いの切迫早産

妊娠4ヶ月頃、出血して青ざめたことがある。
医院では切迫流産、仕事は辞めたほうがいいと言われたけれど、血の色は茶色で量も少なかったので、4日ほど様子を見て仕事に戻った。それでもしばらくはトイレに行くたびに怖い思いをした。

看護師さんによれば、茶色なら古い出血だから下手に動いて受診するより、自宅で安静にして様子をみるでいいよ、とのこと。まぁ一応、受付に電話で確認してから受診したんだけども。

このあと医師に指定されて行った再診日に、受付と待合の看護師さんからそれぞれ「今日はどうしました?」と訊かれ、最後には診察室で医師にも「今日はどうしました?」と訊かれて度肝を抜かれた。

「あなたがこの日にきてねと言いましたがん」とは言えず、同じことを3回答える私。くそーおもしろいな。



それ以来なにもなく順調に経過していたある日、職場の人の奥さんが切迫早産で入院になってしまった。

そして間もなく、別の人の奥さんも切迫早産で入院。

同じ妊婦として奥さんの容体はとても気がかりだったけれど、このときはまだ、職場でも仲良しなふたりの赤ちゃんの予定日が同時期とかどんだけ仲良いんだくらいにしか思わなかった。

この後、私も見事に切迫早産で入院することになる。



すっかり妊婦らしい体型になってきてから、車の運転中や仕事中、お腹が痛くなるようになった。運転していられなくなるほど痛みがひどいこともあったけれど、横になっていると1時間ほどで良くなる。お腹を壊したときのような痛みではなくて、お腹の一部分だけカチカチに張って時々ぎゅ〜っと捻られているような痛みだった。

姿勢が悪いのか、下着の締めつけが悪いのか。頻繁ではなかったし、出血もなかったのであまり気にしていなかった。
切迫流産のショックから、私の中で妊娠中の異常は出血ありきになっていた。


その日は、ちょうどお昼休みに入ったところで急に痛みがやってきた。立っていられなくなって応接室のソファで横になる。痛みがひどいときは息を吐いてやり過ごした。お腹は張って硬い。

痛みがひかないのでスマホで検索。妊婦、お腹、痛い………痛みが30分以上続くなら病院へと書いてある。40分経過していたので病院に電話。すぐきてね、と言われたけどここは病院と逆方向に30分の職場。午後からの勤務でまだ家にいた夫に迎えを頼んだら、病院に着いたのは1時間半後だった。怒られた。

病院に着いた頃には、痛みはだいぶひいていた。内診では子宮口も開いていないとのこと。

医師「でもお腹の張りが異常だからこのまま入院だよ。切迫早産ね。旦那さん呼んで。」



え、いまなんて?



本当にそのまま陣痛室に連れて行かれ、着替えて点滴を打たれ、お腹の張りをみる機械をつけられた。機械をつけてみると、きれいに4分間隔で張りがきている。

医師「赤ちゃんがまだ小さいから、これがもうちょっと強くなったら生まれちゃうかもしれない。そしたら搬送ね」

一晩そのまま陣痛室にお泊まり。
点滴の副作用で動悸がしんどくて、うとうと眠ることしかできない
夜中に超スピード出産したお母さんが、医師からもっと早くこないと!と叱られてるのが聞こえてくる。いつも何かしら注意されるけど、産んでからも叱られるのか…(注:そんなことはありません)

無事に朝を迎えて、病室にうつった。医師には「生まれちゃうかと思ったけどよかったね。もう臨月に入るまで安静だよ。仕事は辞めてね」とサラッと告げられ、一応食い下がってみたけど診断は変わらなかった。


その頃職場では、「この会社は呪われている」という話になっていたらしい。
妊娠中の3人が3人とも切迫早産なんだから、まぁ呪いで間違いないだろう。

かくして私の、呪いの切迫早産生活がはじまったのである。




ここまで長いな!
これも呪いか!