やぎの目こわい

こどものこと、夫婦のこと、仕事のこといろいろ

3回目のコウノトリ

妊娠が分かったのはクリスマスを過ぎた年の瀬のことだった。


3人目がほしくて、ぬるく妊活を始めたのが春先。

そのあいだに何回も赤ちゃんできた詐欺を繰り返していたため(すべて空振り)、家族はどいつもこいつも信じてくれなかった。



8「妊娠検査薬で陽性の線が出たよおめでとうございます」


夫「自分で線書いた?」



8「病院行ったよ赤ちゃんできてたよ」


長女「……ハァ?」


長男「え!!ほんとに赤ちゃんできてたのまじか!」



超絶反抗期の長女は致し方ないとして、序盤からこの信用のなさ。



しかし赤ちゃんできた詐欺にいちばん心が荒んでいたのは当の詐欺師本人で、狼なんていないと絶望した矢先であった。





妊娠確定翌々日、うちに新車がやってきた。





なにこのタイミングこわい。

こ、これからお金が水のように使われていくというのに。

ノーモア見切り発車。

ノーモア大型消費財。

今回はきれいでごはんが美味しいと評判の個人医院で産みたいのだから!

もう総合病院で塩分制限されてまっ白な献立とか夜食にジャムマーガリンのコッペパンとか勘弁な!





この数ヶ月後、屋根に太陽光パネル載っけてオール電化にリフォームという目も当てられない暴挙が待っていることを、まだ私は知らない。


つづく